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ほか、写真6の水中での塩分濃度、酸素量計測などのために採水器やCTDセンサーが展示されていた。甲板では展示のみならず、各機器の担当者から取り扱いや調査方法などの説明を受けることができた。一方、船内の研究室ではドップラー流速計、写真7の曳航型サイドスキャンソーナ、マルチナロービームなど)の調査機材が展示され、研究者がキーウェスト海域で採集したデータで得た調査結果をもとに、見学者に解説を行うなどの対応に追われていた。エジプトからの女性の研究者が説明をしてくれたが、サイドスキャンソーナが高額で購入するのが大変だった、などという苦労話まで耳にすることができた。研究室の船首側には、測位やデータ記録に使用する電子機器が並んでいた。この電子機器については別の女性が説明をしてくれた。写真を振らせてくれと頼んだところ、共同研究を進めているからとの理由で見事に断られてしまった。この電子機器はブリッジにある船の制御装置に接続され、あらかじめ設定した側線に従って船の航行制御も行える装置で、ソフトウェアの虫取り(バグ取り)が終わったのはつい最近だ、などと事細かに説明をしてくれる。こんなに詳しく説明をしてくれるのに、なぜ写真をとらせてくれないのだろうか。解説をしてくれる彼女たちは海軍の関係者ではなく、The Naval Oceanographic Officeに所属する研究者であった。
ブリッジでは、乗組員がGPSなどの測位システムや船のコントロール装置について説明を行っていた。見学者の対応に追われつつも研究者や乗組員が、非常に丁寧に解説をしてくれ質問にもわかりやすく対応していたのが印象的であった。プライバシーの問題と推測できるが、食堂などの居住環境が見学コースになかったのは、いささか残念である。

 

 

 

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